果物手帖
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マスカット・オブ・アレキサンドリア

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特徴

「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は、果皮は緑黄色で粒は12~15gくらいと大きく、やや楕円気味です。果房はボリュームのある円錐形にまとめられ1房は400~600gほどになり、皮は比較的薄いです。最大の特徴は香りで、マスカット香と呼ばれる特有の香りが強いことです。国内で生食用に作られる際は、花房の時点で上部の花を取り去り、実が膨らんだときに綺麗な形と十分な大きさになるよう整形されています。これをせず、自然のままに生育させると房は縦にとても長い状態になり、実も小粒で沢山付いた状態のブドウになります。マスカット・オブ・アレキサンドリアには「紅アレキ」または「紅マスカット」と呼ばれる皮が赤い枝替わり品種もあります。

旬の時期

岡山では、早期加温栽培のものは5月下旬頃には初出荷が行われています。無加温栽培のものも収穫が始まり9月~11月まで出荷されます。当然加温栽培のものは燃料費がかかることや希少性などもありかなり高級なブドウとして主に贈答用などにされる事が多く、一般的な食べ頃の旬はやはり無加温栽培のものが出回る9月中旬から10月となります。

マスカット特有の芳醇な香りがあり、甘みとやさしい酸味が調和して風味豊かです。果肉は適度にしまっているブドウです。

歴史

日本では一般的に「マスカット」と言えば、マスカット・オブ・アレキサンドリアを指していると言われています。これまで様々な新しい品種が生み出される中、その容姿、風味共に非常にエレガントなブドウとして長年高級ブドウの代名詞として君臨し続けています。マスカット・オブ・アレキサンドリアはもともと北アフリカ原産とされ、紀元前からエジプトを中心に栽培されてきた非常に古い品種で、エジプトの王妃クレオパトラも食べていたとされています。名前の由来は、エジプトのアレキサンドリア港から各地へ輸出されていたことから"アレキサンドリアのマスカット"と呼ばれるようになったと考えられており、「マスカット」とは「MUSK=麝香(じゃこう)」が語源とされ、ジャコウのような香りがする、あるいは、ジャコウのように強く芳醇な香りがするブドウとして名付けられたといわれています。日本には明治時代に兵庫県印南新村の播州葡萄園に導入されたのが最初とされ、その後岡山県の山内善男氏と大森熊太郎氏がその苗木を持ち帰り温室栽培を成功させたとされています。マスカット・オブ・アレキサンドリアには様々な亜種が生まれ、ワインの原料にもなっています。代表的なもので言えば、イタリアワインの原料となるモスカート(Moscato)種やフランスで言うミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン(Muscat Blanc a Petits Grains)がこれにあたります。フランスでアレキサンドリアはミュスカ・ミュスカ・ダレクサンドリーと呼ばれています。日本でも一部でワインが造られています。

産地

マスカット・オブ・アレキサンドリアの主な産地は岡山県です。平成22年の栽培面積を見ると87haと全国の96%を占めています。次いで香川県2ha 福岡県1.3haとなっています。

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