果物手帖
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甲州

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特徴

「甲州」は果皮は赤紫色で、白いブルーム(果粒)に覆われています。1粒の重さは4~5gほどで、1房は300~500g程度です。生食用だけでなく、白ブドウ品種としてワイン用にも用いられ、現在では生産量の大半がワイン向けに出荷されています。「甲州」で作られたワインはフレッシュで軽やかな辛口白ワインに仕上がったものが多いですが、果皮の渋みや色合いを引き出した深みのある味わいのものも作られています。程よい酸味があるのでフレッシュな味わいが特徴で、癖のない甘さと適度な渋みが味をまとめてくれています。

旬の時期

収穫時期は山梨県において9月中旬~10月中旬で、生食向けはその時期に出回ります。

果汁が豊富で果肉はやわらかく、甘みは18度ほどで、適度な酸味があり、わずかに渋みを感じることもあります。

歴史

「甲州」は古来より日本に自生していたブドウ品種で、その来歴は奈良時代、大僧行基が今の甲州市勝沼町に大善寺を建立した際に発見、あるいは薬師如来から授かったとする説や、鎌倉時代初頭(1186年)に勝沼の雨宮勘解由(あめみやかげゆ)が発見し、それを植えたところその5年後に実が付いたという説があります。いずれも現在の甲州市勝沼地区が発祥とされています。その後江戸時代初期にはこの地域で現在のようなぶどう棚による栽培が広く行われるようになっていたとされ、国内のブドウ栽培の先駆けとなりました。2013年に独立行政法人酒類総合研究所がアメリカ農務省農業研究所、コーネル大学などと共にDNAの解析を行った結果、ビニフェラと中国由来の野生種とのクォーターであることが解ったそうです。つまり、コーカサス地方を原産とするビニフェラがシルクロードを経て中国に伝わり、そこで何百年あるいは千年以上もかけて中国原産の野生種と種間交雑し、さらにそれがビニフェラと交雑したものと考えられるそうです。2010年には国際ぶどう・ぶどう機構O.I.V.(Office International de la vigne et du vin )に日本固有のぶどう品種として品種登録され、「甲州」100%で造られたワインはその品種目を冠してEUでの販売が認められています。

産地

山梨県:426ha(97.93%)
山形県:7.3ha(1.68%)
大阪府:1.7ha(0.39%)

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