特徴

「バラード」の果房は比較的大きな有岐円錐になりますが着粒はやや粗く、シャインマスカットなどのようにびっしりと粒が付いた塊にはなりにくいようです。果粒は大粒の短楕円で直径2～3cmほどで果皮は薄く、果肉からはがれにくいので皮ごと食べるタイプのブドウです。この「バラード」はあまり市場には出回っていませんが、この品種が交配親となった「ベニバラード」は比較的生産者が多く市場でも見かけます。また、「ベニバラード」同じ交配親で生まれた「ベニバラオー」という品種もあります。強い甘さとバラードならではの独特な香り、さらにシャキシャキとした歯切れの良い食感が癖になり、隠れファンが多い品種です。

旬の時期

「バラード」は早生品種で、育成地の山梨県甲府市での成熟期は7月下旬～8月上旬となっています。

味

果皮が薄く皮ごと食べられ、締った果肉でしゃきしゃきした食感が楽しめ、糖度が高く酸味があまりない甘いぶどうで、マスカット香を持っているのが特徴です。

歴史

山梨県甲府市の米山孝之氏が自園において欧州種系の「バラディ」に米国品種の「ゴールド」を交配し、その実生から育成した果皮の色が黄緑のブドウです。1997年に登録出願され2001年に品種登録されています。

産地

「バラード」の生産量は極わずかで、農林水産省の統計データにも記載されていません。長野県や山梨県など、各地のブドウ産地で、個々の農園で少しずつ栽培されているにすぎないようです。