果物手帖
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やまがた紅王/山形C12号

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やまがた紅王とは?その特徴と魅力

やまがた紅王は、2020年に品種登録されたばかりのニューフェイスですが、厳しい出荷規格を通過した品質の高さから、すでに多くのファンを獲得しています。まずは、そんなやまがた紅王の特徴や魅力について詳しく見ていきましょう!

特徴

やまがた紅王は、「世界最大級のさくらんぼ」を生み出すべく開発された品種で、その大きさは直径25ミリ以上!その中でも特に大きいものは直径34ミリを超えることもあります。

そんなやまがた紅王の栽培は、1997年山形県農業総合研究センター園芸農業研究所にて、「紅秀峰」と「C-47-70」の交配からスタートしました。この2つの親和性は非常に低く、開発には実に20年もの歳月がかかりました。

その後、2020年に「やまがた紅王」として正式に品種登録され、直径25ミリ以下のものは「山形C12号」とするよう決定しました。つまり「やまがた紅王」という名称で販売できるのは直径25ミリを超えるものに限り、これまでにないほど厳しい出荷規格が設けられています。

味わい

やまがた紅王の糖度は20度と高めで、佐藤錦と同程度。酸味は少なく、上品で後引く甘さが持ち味となっています。また果肉はぎゅっと引き締まっており、シャクシャクとした心地よい歯ざわりを感じられます。そして何よりその大粒な果実が魅力的で、さくらんぼとは思えないほどの満腹感を得られます◎

やまがた紅王の魅力を最大限に味わうなら、もちろん生食が最もおすすめですが、果実の大きさと食感を生かしたコンポートに加工すると、ごろっとした果肉の存在感が際立ちます。

旬の時期

やまがた紅王の旬は、6月下旬から7月上旬頃で、さくらんぼシーズンの後半から出回ります。この時期はちょうど佐藤錦と紅秀峰の間くらいで、佐藤錦からやまがた紅王、やまがた紅王から紅秀峰と、美味しいさくらんぼの品種リレーも楽しめます◎

しかし、やまがた紅王は2022年に先行販売が実施されたばかりの新品種。佐藤錦や紅秀峰などの人気品種に比べると、店頭で見かける機会はまだまだ少ないでしょう。

やまがた紅王はどこで購入できる?

先ほど紹介したように、やまがた紅王はさくらんぼの中でも新しい品種で、厳しい出荷規格が設けられているため、現状では全国どこでも購入できるというわけではありません。

そんなやまがた紅王を購入するなら、山形県のJA公式通販サイトや、ふるさと納税を利用するのがおすすめです◎ただし、これらの販売元でも、数量が限られていることが多いので、逃さずゲットしたい人は6月以降からこまめにサイトをチェックしておきましょう!

やまがた紅王を美味しく味わうには?

旬のやまがた紅王を食べるなら、せっかくなのでその魅力を最大限に堪能したいですよね◎

ここでは、やまがた紅王を美味しく味わうためのポイントについて紹介します。店頭で購入する際の選び方や、洗い方のコツ、正しい保存方法など、他の品種でも使えるさくらんぼ知識なので、さくらんぼシーズンにぜひ活用してくださいね!

選び方

やまがた紅王を店頭で購入する際は、以下のポイントに注目して選びましょう。

  • 全体がムラなく色づいている
  • 果皮にハリツヤがある
  • 軸がみずみずしく鮮やかな緑色をしている

やまがた紅王は果皮の色づきが鮮やかで、キレイな紅色をしています。この色づきにムラがなく、全体が均一に染まっているものほどよく熟し、食べ頃となっているサインです。

またやまがた紅王に限らず、さくらんぼは鮮度が落ちやすく、日持ちしにくい果物です。さくらんぼの鮮度は果皮や軸に現れやすいため、店頭で選ぶ際は果皮の光沢や軸の状態に注目してみてくださいね。

洗い方

さくらんぼは、水洗いするだけで汚れをキレイに落とすことができます◎ボウルなどに貯めた水に浸けて洗う場合、一度落ちた土やホコリがまた付いてしまわないよう、水を数回変えながら洗うと良いでしょう。

また強く擦りすぎると果皮の表面が傷ついてしまうため、手や指の腹を使って優しく丁寧に洗いましょう。

保存方法

さくらんぼは、温度変化や乾燥に弱く、冷蔵庫に入れると味が落ちてしまいます。そのためさくらんぼを保存する際は、風通しが良く涼しい場所で常温保存するのがおすすめです。

冷房の風が当たる場所は乾燥しやすいためできるだけ避け、新聞紙などで包んでおくとよりみずみずしさが長持ちしますよ◎ただし、さくらんぼは元々あまり日持ちしない果物なので、2~3日以内を目安に食べきりましょう。食べるときは、1~2時間ほど冷蔵庫で冷やすと果肉が引き締まり、甘みをより強く感じられます。

さくらんぼを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!

さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。

そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。

気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)

とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。

バイオスティミュラントは、植物に生理学的刺激を与えることで、環境ストレスを受けたために発揮されていない「農作物が本来持っている能力」を、最大限まで改善する資材として期待されている新しい農業用資材です。 農作物の品質や収量の向上や、栄養吸収率を高めることによる化学肥料使用量の低減などの効果をもたらします。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会

特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。

現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!

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