果物手帖
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吊るし柿

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特徴

「吊るし柿」とは、渋柿の皮をむいて日に干した干し柿です。縄や糸につるして干すものと、竹や木の串にさして干すものがあり、前者を吊るし柿で後者を串柿と呼びます。「枯露柿」は「吊るし柿」の別名とされています。天日にさらすところまではあんぽ柿の作り方と同じですが、その後は手でもみ、もう一度同じ工程を繰り返したり、ビニールハウスで乾燥させたりして、水分が25%〜30%になるまで乾燥させます。軒先に何十個もの柿を1列につなげてぶら下げるすだれの風景は圧巻で、蔵王山から吹きつける冷たい風にさらされることで渋が抜け、甘さが増します。真っ白に粉を吹いた干柿を太くて長いビニール袋にぎゅうぎゅう詰めにする商品形態はとてもユニークで、贈答用として全国的に人気があります。当地特産の紅柿で作ったものを「紅つるし」、平核無柿で作ったものを「蔵王つるし」として出荷しています。

旬の時期

産地や種類によりますが、毎年10月からちらほらと出始め、12月の末にピークを迎えます。

実が引き締まって食感はややかためですが、甘くて濃厚です。

歴史

日本の歴史に初めて干柿が登場するのは平安時代中期の法典「延喜式」です。祭礼用のお菓子として干柿が出てきます。一方、甘柿の登場は鎌倉時代以降と考えられていますから、干柿の歴史は甘柿よりも古いことになります。これまで日本には渋柿しかなかったので、人々は知恵を絞って渋を抜く方法を探ったと思われます。干柿は貯蔵が効くので、非常食或いは数少ない嗜好品として各地で普及し、主に農家の副業として代々受け継がれてきました。製法も時代を経て改良・変化していきます。古くは枝ごと天日乾燥する原始的なものだったようですが、やがて串に刺した串柿となり、明治以後は現在のようにヘタを紐で結んでぶら下げる干し方になりました。

産地

山形県上山(かみのやま)市の特産品です。

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