果物手帖
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甲州百目柿(富士柿)

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特徴

「甲州百目(こうしゅうひゃくめ)」は赤橙色の釣鐘のような形をした大きな品種で主に福島県や宮城県、山梨県、愛媛県などで栽培されています。名前の「百目」とは「百匁(ひゃくもんめ)」からついたといわれ、その通り100匁(375g)ほどの重さがあり、大きいものでは500gほどにもなります。甲州百目は古くから各地で作られていたため、呼び方も地域によってさまざま。福島県や宮城県では「蜂屋(はちや)」と呼ばれ、おもに「あんぽ柿」や「ころ柿(枯露柿)」に使用されます。愛媛県では「富士柿」と呼ばれ、こちらはその多くが青果として出回っています。ちなみにこの富士柿という名前は、へたを下にして置いたときに富士山のシルエットに似ていることから付けられたそうです。また関西地方では「江戸柿」や「代白柿」とも呼ばれています。

旬の時期

10月中旬頃から収穫が始まり、11月初旬ごろには各地で最盛期を迎えます。収穫期は11月いっぱいくらいまでとなりますが、そのほとんどは吊るし柿やあんぽ柿のような干し柿にされるものが多く、生食での流通は限られてはいます。食べ頃の旬は11月から12月初旬までとなります。

果汁が豊富でほどよいやわらかさがあり、マイルドな甘さが特徴です。

歴史

「江戸柿」とは奈良や京都など近畿での名称で、奈良県西吉野の特産です。干し柿にされるほか、おき熟し柿(ずくしがき)にして食べたりしますが、ガスによる渋抜きを経て熟し柿にされ、京都中央卸売市場に出荷されたものが代白柿と呼ばれているようです。ただこの江戸柿としても店頭に並ぶので代白柿の違いはあいまいです。京都の料亭でも旬の時期には食後のデザートに提供されていたりします。「蜂屋柿」は岐阜県美濃加茂市蜂屋町で古くから作られてきたことから呼ばれるようになった名称で、この地の特産となっています。またこの柿を使った干し柿が「堂上蜂屋柿」として全国的に有名です。「富士柿」は1927年愛媛県八幡浜市の弁上三郎左エ門氏が発見した蜂屋柿の変異種とされています。同地の特産として栽培され、収穫後35度の焼酎で5日間じっくりと渋を抜くアルコール脱渋法のみを使うとされています。逆さにすると富士の山ににて大きいことから富士柿と命名されたとのことです。

産地

福島県:564ha(53.6%)
宮城県:208ha(19.77%)
山梨県:146ha(13.84%)
愛媛県:49.9ha(4.74 %)
埼玉県:26.9ha(2.56%)

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