果物手帖
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富山干柿

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特徴

「富山干柿」は富山県の南砺市福光地区で作られている干し柿です。かつては稲刈りが終わった田に、幅5間に及ぶ吊るし台が組み立てられ、最盛期には数万個の柿が天日干しされる光景があちらこちらで見られました。医王山から吹きおろす西風、いわゆる「医王おろし」が独特の甘味を育んだといいます。昭和50年代以降は、この「柿架」と呼ばれる吊るし台に替わり、電気乾燥機が導入されたガラスハウスが主流となりました。柿の皮むきも従来の包丁による手作業から機械に替わるなど、近代化が図られました。富山干柿に使われるのは、福光地域原産の三社柿(さんじゃがき)と呼ばれる渋柿です。大きなもので直径10cm、重さ350gにもなり、果肉が絞まっているのが特長です。収穫された三社柿は機械で皮をむいた後、糸でへたの部分をしばり竹の棒に吊るされます。車輪がついた干し台に架けられ、ガラスハウス内での乾燥と屋内での休乾を繰り返しながら、約20~25日間かけてゆっくりと乾燥させます。屋内では、柿を一個ずつ手で揉んで水分や甘みを均等に行き渡らせる作業が行われます。あんぽ柿よりもジューシーで、外側の硬さと内側のもっちり感が特徴です。昔ながらの懐かしさを感じる味わいで老若男女、世代問わず好まれています。

旬の時期

11月~1月が旬の時期とされています。

硬すぎずやわらかすぎず適度な歯ごたえで、深みのある天然の甘さが引き出されています。

歴史

歴史を遡ると、干柿の製法が慶長年間(1596~1615)に美濃の国(岐阜県)から伝えられ、江戸時代に加賀3代藩主前田利常公が、殖産施策の一環として干柿づくりを奨励したことで、今日に至る礎が築かれました。昭和40年代には、コメの減反政策を受けて、多くの水田に柿の木が植えられ、ほ場の団地化が図られました。2018年現在は、福光と城端の両地域で約180軒の農家が従業し、年間約400万個を出荷。お歳暮やお年始などの贈答品、正月の鏡餅の飾り物として人気があります。

産地

富山県南砺市と石川県金沢市にまたがる標高939mの山「医王山(いおうぜん)」の山のふもとに広がる南砺市福光地区で、古くから農家の冬仕事として干柿づくりが行われてきました。

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