果物手帖
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禅寺丸柿

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特徴

「禅寺丸柿(ぜんじまるがき)」は富有柿などに比べ腰高で丸く、小ぶりの柿です。不完全甘柿で、熟したときに果肉に茶色いゴマがたくさん入った状態になるととても甘くなります。種がないものにはゴマが入らずタンニンが水溶性のまま残るので渋柿となってしまいます。サクサクとした食感の果肉は噛めば噛むほど甘みを感じ、コク深い味わいです。糖度はそんなに高いわけではないですが、酸味がないので一口食べると甘さを全面に感じられます。

旬の時期

九州など早いところでは10月中旬ごろから収穫が始まりますが、最盛期は11月初旬から中旬にかけてとなります。

糖度は15度くらいまで上がりますが、ゴマができていないものは渋柿となります。果肉はやや硬めで、サクッとしっかりとした歯触りが感じられます。一般的な柿に比べ甘さは並み程度ですが、食べたときの食感や風味はとてもよいとされています。

歴史

禅寺丸柿は、鎌倉時代前期に現在の神奈川県麻生区王禅寺の山中で発見された、日本最古の甘柿とされています。かつては柿といえば渋柿しかなく、甘柿としては日本最古のものとして2007年には麻生区内の禅寺丸柿の木7本が国の登録記念物に指定されました。柿生という地名の元となり、古くから地域の人々の生活を支えてきました。南北朝時代には、等海上人が周辺の村人に広め、明治から昭和初期のころまで盛んに栽培されて市場に出荷されていたようですが、富有柿など他の品種の登場とともに衰退し、一時は影をひそめてしまっていたそうです。1995年に柿生禅寺丸柿保存会が設立され、現在でも王禅寺周辺の農家には樹齢400年程度の古木が多く現存し、毎年たくさんの実をつけています。

産地

禅寺丸は現在商用生産も行われているほか、花粉が多い品種なので全国の柿産地で授粉用としても植えられています。
神奈川県:4.7ha
埼玉県:3ha
長崎県:3ha
東京都:1ha

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