果物手帖
果物手帖

菊水

菊水
果物手帖

シェアしよう!

果物手帖

シェアしよう!

果物手帖

特徴

「菊水(きくすい)」の果実は高さに対して直径が大きい扁球形で、果皮表面はなめらか、果皮色は黄緑色で全体に果点が散らばっています。
甘味酸味がしっかりとあり食味が良く、肉質も良かったので期待を背負いますが、一本の樹から穫れる収量が二十世紀より少ないため、果形が良くないものが多かったり、さらに収穫後、果梗が早く黒くなり日もちが悪いことから、その後市場から姿を消していったようです。しかしながら、その後様々な交配親として用いられ、優れた品種を生み出しています。中でも「幸水」は現在市場の約4割を占めるまでになっており、それに続く「豊水」は「幸水」を親としています。つまりは「菊水」の孫にあたる品種ということになります。それ以外にも「菊水」が親となっている品種には「秀玉」や「新水」があり「新水」を親とする、いわゆる孫にあたる品種「なつひかり」や「南水」が生まれています。

旬の時期

「菊水」の収穫時期は8月下旬ごろから9月中旬ごろまでで、生産者が少ないこともあり、市場に出回る期間はかなり短く、その量もごくわずかです。

果肉は「二十世紀」に似た肉質でやや柔らかく、果汁を多く含み、糖度15度にもなる強い甘みと共に、しっかりとした酸味も持っていて食味はとてもいい梨とされています。

歴史

「菊水」は1927年、神奈川県立農事試験所で当時場長だった菊池秋雄氏が育成した青梨品種です。当時すでに「二十世紀梨」は市場に広く出回っていたようですが、黒斑病に弱いという欠点があり、この病気に対する抵抗性を持つ、二十世紀に替わる品種を目指し、強い抵抗性を持つ「太白(たいはく)」に、「二十世紀」の交配種を掛け合わせてできた実生から選抜育成されました。

産地

「菊水」は後代の「幸水」や「豊水」などに転換が進み、現在栽培しているところはごくわずかとなっています。農林水産省が行っている特産果樹生産動向調査によれば、2015年産の栽培面積は大分県18.4ha、愛媛県2.1ha、千葉県1.8ha、神奈川県1.5haのみとなっています。

果物手帖

シェアしよう!

果物手帖

関連記事