果物手帖
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千両梨/身不知

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特徴

「千両梨(せんりょうなし)」は、外見はバートレットなどの洋梨と見分けがつかないくらい洋梨にしか見えません。大きさは平均400g前後で、表皮は黄緑色に茶色い果点があり、頭の軸の付け根の周辺にサビが広がっています。別名で「身不知(みしらず)」とも呼ばれていますが、これは鴨梨を植えているのに違った実がなり、どこでどうなったのか分からず身元が分からない事から付けられたという説や、誰も知らない実がなった事から、ありは、身の程知らずなほどたくさんの実がなることからなど諸説あるようです。千両梨という名称は、この梨がとても豊産性が高く、鈴なりに実を付けた事からと言われています。かつては北海道のいたるところで栽培され、豊産性の高さも相まってありきたりな梨として安く出回っていたようですが、現在では甘く美味しい和梨が広まると共にその姿を消していったようです。見た目は洋梨ですが食感はやや粗めで噛み応えがあるので、和梨が好きな人は千両梨も口に合うでしょう。

旬の時期

収穫は10月中旬から下旬の短い期間で、出回るのもこの時期だけです。旬がとても短い品種なので、食べてみたい方は見逃さないよう注意が必要ですね。

果肉は和梨と同じように石細胞を多く含みシャリシャリした食感が楽しめます。

歴史

明治時代に中国から「鴨梨(ヤーリー)」や「慈梨(ツーリー)」などの中国梨が導入され、北海道でも広く栽培されましたが、千両梨は明治時代に余市郡余市町山道村で発見された「鴨梨(ヤーリー)」の偶発実生とされています。

産地

千両梨は現在北海道でのみ作られています。政府がまとめた2012年産の栽培面積をみると、北海道で30.9haとなっています。そのほとんどが余市にあるようです。北海道ではかつてどこにでもあるありふれた梨の一つだったようですが、現在では他の和梨や洋梨などに転換されその生産量も極僅かなようです。

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