果物手帖
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石鎚

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特徴

「石鎚(いしづち)」の果実は扁円で粒はやや大きく平均20~25gあります。果皮色は赤褐色で艶があり、毛じは果頂部にわずかにみられる程度、果実の部分は白みが強い黄色です。果肉は淡い黄白色でやや粉質ですが煮崩れしにくいことと、貯蔵性も高いことから加工用としても適しており栗の収穫が終わった時期にも市場に出回ることが多い品種です。また鬼皮がむきにくいとされる和栗の中では、比較的皮がむきやすく、むき栗への加工がしやすい品種となっています。クリタマバチに対する抵抗性が強いことと、豊産性であることも特徴です。

旬の時期

石鎚は晩生種で、収穫は産地をリレーしながら10月上旬~10月下旬ごろまで続きます。また、貯蔵性が良く、11月まで氷温貯蔵されたものが出荷されています。

石鎚は、栗本来が持つ粉のような食感ではなく、ねっとりとした甘さが特徴といわれています。そのために煮崩れしにくいというメリットもあります。

歴史

1941年にクリタマバチが岡山県で発見され、その後各地に蔓延し栗の栽培に壊滅的な被害が広がりました。そこで国の園芸試験場が1947年から取り組んでいた育種にも「クリタマバチに対する抵抗性」という課題が加えられ、1959年には「丹沢」(クリ農林1号)、「伊吹」(クリ農林2号)、「筑波」(クリ農林3号)の3品種が登場しました。「石鎚」もこの流れの中で生まれ、交雑は1948年に「岸根」に「笠原早生」を交雑させ、得られた実生から選抜育成された系統で、一次選抜は上記の3品種と同じ1955年だったそうです。1956年から全国40か所の試験場において特性検定試験・地方適応試験が行われ、1968年に「石鎚(いしづち)」と命名され、「くり農林4号」として農林認定されています。当時はまだ種苗法の品種登録制度なかったため農林認定だけとなっています。「石鎚」という品種名は普及が期待される愛媛県の石鎚山に由来しています。

産地

愛媛県:255.4ha(37%)
茨城県:238.1ha(34%)
新潟県:30.7ha(5%)
山口県:22.5ha(3%)
石川県:21.2ha(3%)

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