作物の植付け準備はなにを用意すればいい?
用意するのは二つ「培養土」「元肥」
農業をはじめるにあたってかかせない「土づくり」。おいしい野菜を病気にかからず元気に育てるために、必ずおこないましょう!
土づくりのおおまかなステップは、「培養土」「元肥」からなる三段階。
さっそくステップ別にやることを紹介していきます。
(1) 培養土を選ぼう!そもそも培養土って?
培養土は、名前のとおり作物を育てるときに使う土のことをいいます。
野菜づくりには、「ふかふかした」土をつかうことが重要です。そのためにふかふかした土づくりをおこなうのです。
培養土の構成成分は以下の三つです。
➀基本用土
赤土、赤玉土、真砂土、黒土、鹿沼土など培養土の5~6割を占める基本成分。赤玉土(小粒)は幅広く使用できるのでおすすめ。
➁無機質の土壌改良材
鉱物を成分としてつくられたもの。代表的なのは「苦土石灰」。日本の土壌は酸性になりがちなので、苦土石灰を加えることで野菜の生育に適した中性に調整するのです。培養土に1~2割まぜます。
➂有機質の土壌改良材
代表的なのが「堆肥」。土の状態や特性をよくする(保水力を高めるなど)ためのもので、もともと動物の糞や枯れ葉などを微生物が分解したものです。培養土に3~4割まぜます。腐葉土やバーク堆肥は幅広く使えるのでおすすめ。
➁➂の土壌改良材についてより詳しくしりたいかたはこちらの記事
元肥の選び方!元肥の役割は?
元肥とは、作物の植付けのまえに、土壌に必要な栄養素を補充するために施す肥料のこと。ちなみに植物が成長しているあいだに施す肥料のことは追肥と呼びます。
元肥には、主に二つの役割があります。
- 生育初期段階の作物を育てる
- 病害虫への抵抗力に影響する
それでは、元肥に選ぶ観点を紹介していきます。
➀緩効性肥料がおすすめ
効果がすぐに現れるわけではないけれども持続的で、長期間にわたって栄養を供給します。粒状肥料が主流です。
➁栄養素はバランスよく
肥料の三要素である肥料に含まれる主な栄養素である、N(窒素:茎や葉の生育を促す)、P(リン酸:実つきを促す)、K(カリ:根の成長を促す)をバランスよく含むもの。自分でミックスするのもミックスされているものを使うのどちらでもOKです。
元肥の必要な量は作物によって異なります。元肥が多すぎると植物の根を傷めて枯れさせてしまう可能性があります。元肥が少なすぎると栄養不足で生育不良となります。つまり、元肥の量を間違えると、収穫量が大幅に減ってしまう可能性があるのです。
元肥のやり方についてより詳しくしりたいかたはこちらの記事:
いざ実践!土づくりをしよう!
土づくりの手順 STEP 1 植え付け2~3週間前にやること
作物を入れ替えるタイミングまたは、農業をこれからおこなうかたは植付け予定日の2~3週間まえまでに土づくりを開始しましょう。
土を深さ30cm程度までよく耕す
大型のスコップの頭の部分がすっぽり入るくらいと考えると分かりやすいでしょう。
基本用土と苦土石灰を畑によく混ぜ込む
石灰は土に溶けだし効果がでるまでに時間がかかるのではやめに混ぜておきましょう。
土づくりの手順 STEP 2 植え付け1~2週間前にやること
堆肥と元肥を畑によく混ぜ込む
注意点としては、堆肥は微生物が含まれており、その微生物が堆肥中の成分を十分に分解している状態(完熟状態)になれば作物が植えられます。もともと無臭でサラサラとしている堆肥であれば完熟しているので植え付け直前に本工程をおこなってもOKです。においのあるものは、完熟していないので、栽培を始める2週間前には土に混ぜましょう。また、STEP 1 の苦土石灰と同時に混ぜると化学反応が起きてしまうので1週間は空けましょう。
土づくりワンポイントアドバイス
- 初心者のかたはホームセンター等でミックスされている培養土を買うと楽です。市販の培養土は、赤玉土や腐葉土を混ぜるだけで簡単に通気性がよくなります。慣れてきたら自分でミックスするのも面白いでしょう。
- 畑の面積が広い場合やできるだけコストをおさえたいという方は、土壌改良材や肥料を駆使して培養度は極力使わずに畑のもともとの土を最大限利用して土づくりをすることを検討するのもよいかもしれません。
- ちなみに、「元肥」「堆肥」「土壌改良材」などの言葉はよく混同されがちです。肥料である元肥は栄養素を供給する物質であるのに対し、土壌改良材(の一種である堆肥も)は土の状態や特性をよくする物質。
- しかし、最近では、肥料を多く含む土壌改良材なども多く登場しています。これらを使用する際には、肥料が十分に含まれる土壌改良材を植え付け2週間まえまでに施肥しましょう。その場合、足りない肥料だけ植え付け1週間前~直前のあいだに土によく混ぜ込み、施肥すればOKです!
おわりに
本記事では培養土・堆肥・元肥について理解を深めながら、土づくりの手順を紹介しました。最初の土づくりは農業にとって非常に重要です。
ぜひ実践してみて、質のよい作物をたのしくつくっていきましょう!