土壌消毒とは?
土壌消毒とは、土壌中の有害な病原菌などを死滅させるためにおこなわれる消毒のこと。土壌中には、糸状菌、細菌、線虫など、作物に有害な微生物が多く生息しています。
とくに、作物を栽培しおわった畑は、その作物に集まりやすい病原菌や病原体が多くあつまっており、土壌は「不安定」な状態となっているのです。
つまり土壌消毒をおこなうことで、安定した土壌を取り戻すことができるというわけです。
土壌消毒の方法には、化学物質を用いる方法もあれば、熱や温度を利用する方法まで、取り組みやすいものもあります。
土壌消毒で土壌を生き返らせる!
次に、時期や状況別のおすすめの土壌消毒の方法をいくつか紹介します。
【夏】太陽熱消毒
レーキや土ふるいで被害を受けた株の根をすべて取り除き、土を透明なビニール袋に入れて水分を含ませ密封します。2~3日ごとに袋の両面をひっくり返して、直射日光に長時間当てます。道具も必要最低限で済む、夏におすすめの方法。
【夏】土壌還元消毒
還元資材である米ぬか(目安は1平方メートルあたり1kg)などを土壌とよく混ぜ、水を加えてからビニールで土壌表面をおおいます。その後20~30日ほど放置します。こうすることで空気の流入を遮断しながら、高い地温を維持する土壌消毒方法。化学農薬を使わないので環境にやさしく、微生物の力を借りるため消毒後にそのまま植え付けが出来るというメリットがある一方で、消毒中に悪臭を放つというデメリットも。
【冬以外】薬剤消毒
所定の薬剤を水で30~100倍程度に希釈後、土壌にまぜこみます。耕した土壌約15㎝の深さに注入し、すぐに土で覆い、上から鎮圧し、その20㎝間隔でくりかえしていきます。
環境負荷がかかるデメリットがありますが、病原菌にあわせて良い薬剤を選べば効果は高いでしょう。
【冬】寒起こし
一方、冬は晴れていて風のない日に、土を掘り返します。その後、1ヶ月ほど寒さにさらします。このとき、土が含んでいる水分の凍結や解凍を繰り返すことで害虫や病原菌へダメージを与えられます。道具がいらない、冬におすすめの方法です。
おわりに
本記事では土壌消毒の必要性とその方法を紹介しました。土壌消毒をせずに、病害が発生していまったら手遅れなんてことも多々あります。作物を元気に育てるために、ぜひ実践してみてくださいね。