特徴
「ハリウッド」の果重は50~60g程度とやや小ぶりで、比較的整った円形で、果頂部も丸く、縫合線もほとんどわからないように見えます。最大の特徴は果皮、果肉ともに濃い赤紫色に着色することです。この赤紫色にはアントシアニンがたっぷり含まれており、ジャムなどに加工しても綺麗に発色します。
旬の時期
「ハリウッド」の収穫時期はハウス物では6月中旬から、露地ものは山梨県辺りだと7月中旬ごろから、長野県では8月中旬からとなっています。
味
糖度は13〜15度あり、酸味が穏やかで、受粉用品種の中では食味が良い品種となっています。
歴史
「ハリウッド」はアメリカで発見された、紅葉スモモとも呼ばれる「ミロバランスモモ(Prunus cerasifera 'Pissardii')」と「ニホンスモモ(Prunus salicina)」の雑種で、1936年にLL,Brooks氏によって商業的に導入されました。交雑親は栽培品種「ドゥアルテ」と考えられています。現在アメリカで「ハリウッド」として販売されている苗木の多くは「Trailblazer(トレイルブレイザー)」という品種であるとも言われています。また「ハリウッド」という品種は「ミロバランスモモ」の特性を受け継ぎ、葉た枝がが赤紫色で美しく、花も沢山付けることから観賞用の庭園樹としても人気があります。国内においては、他の品種の受粉樹として植えられることが多いようです。また「ハリウッド」の果実は果皮も果肉も濃い赤紫色でアントシアニンを豊富に含んでいることから、その色を活かした加工向けや生食向けに少しずつ出荷されるようになってきました。
産地
「ハリウッド」は各地のスモモ産地で、受粉用として植えている農園があると思いますが、農林水産省の特産果樹生産動態調査には記録がなく不明です。佐賀県のJA伊万里から市場に出荷されています。