ナスとは
ナスは、クセがなく柔らかい実をつけるナス科の野菜です。和名では「ナスビ」とも呼ばれます。インドが原産といわれており、東南アジアや中国、ヨーロッパなど、世界各地に広がりました。
日本には、遅くとも奈良時代までには伝わったと言われており、現在では地域ごとに固有の品種が多数存在しています。

ナスには、色や大きさが異なる様々な品種が存在しています。
現在、栽培の主流になっているナスは「中長ナス」と呼ばれるタイプで、手ごろな大きさと濃い紫色の皮が特徴です。
ナスは油との相性がよいため、天ぷらにしたり素揚げして煮びたしにしたりするほか、生のまま浅漬けに用いたり炒め物にしたりと様々な場面で活躍します。

ナスの一大生産地として知られているのは高知県と熊本県で、次いで群馬県が有名です。高知県では、ハウス栽培を活用して秋~翌年の夏までの生産量が減少する時期に盛んに栽培がおこなわれます。
ナスの旬はいつ?
施設栽培をはじめとする栽培技術が進歩したことで、現在では一年を通していつでもナスが手に入るようになりました。しかし、ナスはもともと夏野菜として知られており、栽培時期は6月~10月上旬です。
ナスは比較的長期にわたって収穫が可能な野菜です。しかし、そうはいっても季節性があるため、夏と秋の2回、旬の時期が訪れると言われています。ちなみに、ナスにまつわることわざとして「秋ナスは嫁に食わすな」というフレーズがよく知られています。この言葉はどのような意味を持つのでしょうか。

ことわざ豆知識「秋ナスは嫁に食わすな」
2回あるナスの旬のうち、秋のナスの方がよりおいしいと言われています。そこで、一説には「秋ナスはとても美味しいからお嫁さんに食べさせるのはもったいない」という意地悪な理由からこの言葉が出てきたとされています。
また、もう少し積極的な理由としては、ナスは漢方では体を冷やす野菜と言われており、冷えが大敵となる女性は秋ナスを避けるべきという考え方もありました。
いずれにしても、夏の暑さが和らぐ頃に全盛期を迎える秋ナスは、味のよさから多くの人に親しまれています。秋ナスを見かけたら、ぜひ食してみてください。
ナスの種類
ナスは地方によって様々な品種が存在します。皮の色も、濃い紫色のものから緑色、白色まで複数存在します。様々なナスを食べ比べるのも楽しいでしょう。
お店でナスを購入する際には、ヘタの切断面がみずみずしいものが新鮮だと言われています。皮にハリとツヤがあり、重みが感じられるものを選びましょう。ナスに限らず、野菜は鮮度が落ちやすいため、購入時の新鮮さを見極めることが大切です。購入後はすぐに冷蔵庫で保冷します。
中長ナス

一般にスーパーに並んでいるナスは「中長ナス」と呼ばれる種類です。別名は「千両ナス」と言われます。長さは15㎝前後で、皮は濃い紫色をしています。煮びたしや天ぷら、パスタなど、様々な料理で活躍します。
米ナス

米ナスは、アメリカの品種を改良した大型の種類で、中長ナスを3倍ほどの大きさに拡大したような見かけをしています。ヘタは緑色です。皮の色は中長ナスと同様に黒紫色で、果肉は締まっており煮崩れしにくいという特徴があります。
生食にはあまり向いていませんが、縦に半分に割ってチーズをのせて焼いたり、蒸して味噌田楽にしたりと火を通して食べるとナスの味わいを存分に楽しめます。
丸ナス

名前の通り、野球ボールくらいの大きさの丸いナスです。皮は濃い紫色、果肉はしっかりとつまった固めの肉質で、田楽や煮びたし、揚げ物など加熱調理に適しています。
京野菜の「賀茂ナス」や長野県小布施の「小布施丸ナス」などが有名です。
ナスの栽培方法については、本サイト内のこちらの記事をご参照ください。
ナス(茄子)の栽培レシピ プロ農家に学ぶ美味しいナスの育て方 | 産直プライムブログ | 産直プライム
話したくなる美味しさ、贈れる安心、産直プライム
https://sanchoku-prime.com/articles/nasu-saibai?utm_source=transfer&utm_campaign=agris
長ナス

白ナス

「白ナス」の名前の通り、肌の色が白いナスのことを指します。中長ナスと比べて皮は固めのため、天ぷらなどの揚げ物や炒め物に適しています。
日本各地に在来種が存在しており、なかでも淡緑色のものを白ナスと呼んでいます。
青ナス

青ナスとは、皮が薄緑色~緑色をしているナスのことで、地域によっては白ナスと区別しない場合もあります。皮は白ナスと同様に厚みがあって固めのため、焼いて火を通すのがおすすめです。
中には、果肉が十分に柔らかく生食が可能な品種もあります。
おわりに

現在は年間を通して手に入るナスですが、旬の時期が一番おいしいのはどの野菜にも共通しています。ナスの旬や種類に注目すると、日々の買い物や料理がより楽しくなることでしょう。
ナスは生のまま浅漬けにできるだけでなく、煮びたしや天ぷら、あるいはパスタや麻婆茄子など和洋中を問わず様々な料理に活用することができるため、庭に植えておくと重宝します。家庭菜園でのナスの育て方についてはこちらの記事でご紹介しています。
用途の広いナスを家庭菜園で美味しく育てるために、こちらの記事もご参照ください。
ナス(茄子)の栽培レシピ プロ農家に学ぶ美味しいナスの育て方 | 産直プライムブログ | 産直プライム
話したくなる美味しさ、贈れる安心、産直プライム
https://sanchoku-prime.com/articles/nasu-saibai?utm_source=transfer&utm_campaign=agris